2023/01/02  作成

江田駅



すっかりと暗くなった夏の夜。虫の声だけが鳴り響いていた…。

      

横取り線としてスイッチバック線の痕跡があった         山深い渓谷の駅に人はまばら             高台のホームに小さな待合室がある

   訪問日記  2006年6月5日 訪問

    ここは山に挟まれた渓谷の駅。周囲の民家は10軒あまりで、商店が1軒あるが、すでに営業していない様子。初夏や秋の紅葉のシーズンには
   夏井川渓谷を訪れる人々で賑わったという。しかし、2011年3月11日に起きた東日本大震災による原発事故の影響で、周辺住民の心も冷え切って
   しまったのか、屋外のレジャー活動はほとんど行われていないようだ。

   駅の生い立ちは、1948年(昭和23)年10月1日、江田仮乗降場として開業。昭和38年7月に信号場になったが、旅客扱いは続けられた。長らく
   時刻表にない“幻の駅”として、周辺地域と鉄道ファンのみに知られる存在であった。その後、1987(昭和62)年4月の国鉄民営化の際に正式な駅
   になっている。常磐炭田が操業していた頃、石炭を満載した貨物列車が内陸の郡山方面へ急勾配を登るため、ここでスイッチバックを行っていた。
   だが、今は痕跡を見つけ出すことが困難なほど自然へ還っている。