2015/11/27 作成

(臨)原生花園駅



典型的な観光駅だが、ロケーションだけは広大無比である。

      

                            ホームは1面1線の単式。取り立て珍しいものはない。    駅名表のフレームはそれなりに錆びて風格が出ていた。   お花畑にメルヘンチックな駅舎が良く似合う。
  

    訪問日記   2014年6月24日 訪問

    ここは釧網本線の北浜-浜小清水間にあり、毎年5~10月に開業する臨時駅である。典型的な観光駅だが、数奇な運命に翻弄された歴史を持つ。始まりは1964(昭和39)年6月1日、
   国鉄の原生花園仮乗降場として開業。しかし、当時は航空機を使った旅行が発達しておらず、延々と鉄道を乗り継いで、オホーツク海の辺鄙な原野に訪れる人も少なかったようだ。
   そして、1978(昭和53)年10月2日に廃止されてしまう。だが、この素晴らしいロケーションを放置する筈もなく、小清水原生花園の周辺整備とともに、1987(昭和62)年7月1日に臨時駅
   として再開業を果たした。

   濤沸湖(とうふつこ)とオホーツク海に挟まれた絶景の地。湖を望む細長い砂丘の上に、国道に沿って広がる原生花園は、6〜8月にかけて約40種もの野生の花が咲き乱れる天然の
   花畑になっている。観光客が賑わう夏季シーズンには駅員が出張して、記念入場券などのグッズを販売している。秘境駅としての魅力には欠けるが、観光客が去ってしまったオフシ
   ーズンは、停車する列車も無く、文字通り“後の祭り”のような風景を見せる。やっぱり、誰もいない、何もない世界こそが“北海道の真骨頂”であろう。