2001/02/17 作成
浜田浦駅
日高本線“浜田浦駅” 当たり一面果てしなく続く原野の中に、ポツンと小さな駅がある
待合室は、ブロック造りの簡素なもので、扉もなく吹き抜ける風で埃まみれとなっている。 誤ってホームから転落しないように柵がある。これは必要だ。
訪問日記 2001年1月3日 訪問
ここは、苫小牧駅を起点とする日高本線の3駅目にある。周囲は雄大な勇払原野の真っ只中といった感じで、遮る障害物といえるものが何も無いような
非常に見通しの良いところだ。けれども、直ぐ脇に交通量の多い国道235号線が通っているため静かではない。それでも目立った人家も殆ど無く、果たして
駅の利用者はどのような形態で利用しているのだろうか。後から得た情報によると近くにドライブインらしきものが有るそうだが、周囲が暗くて所在が掴めなか
った。ホームは片面一線で2〜3両が停まれる程の長だが、この手の駅に多い板張りホームではなく、土盛りの砂利敷きタイプである。さらに、待合室は開業
当時(昭和34年)から建っているものと思われる古いもので、扉も無く電灯も点いていないという、凄まじく不気味なものであった。内部にはベンチらしきものが
あるが、吹き込んだ風に運ばれてきた砂塵によって埃まみれで、とても座る気にはなれない代物であった。
今回、第3回を数える北海道秘境駅訪問旅の最後の訪問駅となった。当初、ここへ訪問する予定は無かったが、その前に訪れようとした張碓駅の訪問に失敗
して到達出来なかった。そのため、タイムオーバーとなって、当初予定されていた同線の“大狩部駅”の訪問が不可能になってしまう。それでも、起点の苫小
牧駅から程近いここの訪問へ切り替えることで僅かな望みを繋いだのであった。小樽より快速「エアポート」、そして札幌からは特急「北斗10号」に乗車し、苫
小牧から日高本線の鵡川行き普通列車に乗り換えて、この真っ暗な駅へと降り立った。内臓ストロボしか持ち合わせていない私のカメラでは非常に条件が
悪かった。隣の鵡川で交換してくる列車で折り返すため、滞在時間は僅か10分程度で、定刻通りやってきた列車に乗車して闇に沈んだ駅に別れを告げた。
乗り込んだ車内はかなり混んでいて、何だか私一人のために停車してくれた感もあり、不思議な優越感と、周囲の乗客から向けられる好奇な視線を浴びるの
であった。