2022/6/28 作成

初野駅



宗谷本線 「初野駅」  華奢な板張りホームにも日常がある

    

原野へ真っすぐ延びるレールが気持ち良い     錆び付いた駅名標のフレーム      工事現場に見るユニットハウス待合に自転車が寄り添う


      訪問日記  2014年6月22日 訪問

     原野へ伸びるレールの脇にそっと佇む板張りホーム。まさに北海道のザ・無人駅といえる風景だ。そのホームも線路方向にスロープのある
    一般的な形状ではなく、ホームの背面へスロープが延びている。待合室は工事現場に見られるユニットハウスを転用しており、いささか味気ない。
    機密性に優れるアルミサッシは隙間風の対策には有効かも知れないが、板張りホームとのマッチングは今一つだ。

    こんな些細なことにもケチを付けたくなるのは、ここまで素晴らしい雰囲気を持っているだけに、行き当たりのない忸怩たる心残りの反証である。
    人家はわずか数軒ほどが散在するにとどまり、目立った集落はない。当然ながら利用者は少なく、停車する列車は、1日あたり下り4本、同じく
    上りも4本に過ぎない。隣は路線の主要駅である美深だが、列車が発車すると街並みはあっという間に終わり、唐突に原野へと放り出される。
    軽快かつ淡々と進んだ列車は、駅に近づくと自動放送がいつも通りに鳴り響く。同時にシュゥーっというブレーキ音が張り詰めていた心の緊張を
    少しづつ解放していった。