2000/7/30 作成

広戸駅

五能線 “広戸駅” 1軒の人家さえない寂れたところだが、化成工場と日本海を遮るフェンスが残念だ

    

雄大なる日本海を望めるはずだが、防護フェンスに覆われ見通しが悪い  内部にトイレのある細長い待合室  国道の向こうは化成工場

   訪問日記  2000年7月20日 訪問

  この広戸という小さな駅は五能線のほぼ中間の拠点となる深浦駅の隣にある。奇岩のそびえる美しい海岸線に沿いノンビリと走った列車は、唐突に人家の無い辺鄙なところ
 に停車した。海と国道との狭間で、肩身の狭い思いをしたようなホームと、その延長上にある細長い待合室。鉄道駅というのに、線路と道路との距離感がほぼ同じという、奇妙
 な立地に不可思議な感覚を抱く。駅名こそ“広戸”と名乗るが、その名はとても似つかわしくなく、あえて名付けるとすれば“狭戸”であろう。付近をぐるりと巡ってみる限り、ここに
 あるのは
国道と、向い側に構える化成工場だけ。その怪しげな工場ではいったい何を製造しているのか気になり、門の前まで行ってみた。取り扱い薬品を見る限りで有機系の
 溶剤を使い、ポリエチレン容器などを製造しているようだが定かではない。眼前には雄大に広がる日本海を望める筈だが、残念ながら防風フェンスで覆われていて視界が利か
 ない。さらに狭く細長い待合室は、内部にトイレがあるた臭気が漂い、お世辞にも居心地の良いところではなかった。 

 今回ここに東北秘境駅訪問旅として青春18きっぷでやってきた。当初、ここで駅寝の予定であったが、上記の理由により見送った。こうして新たな駅を探しに千畳敷駅まで乗車
 したが結局、駅寝に好適だったのは、先に訪れた驫木駅であった。こうして、進路を折り返して再び驫木駅に降りるのであった。