2001/10/6 作成

細岡駅



釧網本線 細岡駅 駅前にあるのはたった一軒の人家だけ

     

駅舎はログハウス調の造りでしっかりと観光化を意識している           “くしろ湿原ノロッコ号”がDE10に牽かれてやって来た

   

集会場所である“細岡会館”は、すっかり寂れて…    釧路湿原駅から歩いて来る途中、なかなか良い感じの景色に出会えた

  訪問日記   2001年8月12日 訪問

  ここは観光路線といわれる釧網本線にあり、釧路湿原にほど近いところにある。観光客の大半は同名の細岡展望台を近くに控える隣の“釧路湿原駅”で降りてしまい、
 ここはあまり人気がない。駅前にある一軒の人家はかつては酪農を営んでいたようだが今ではすっかり廃業してしまった様子。朽ち果てた牛舎が寂しさを漂わせていた。
 さらに、もはや誰も利用することのない地元の集会所と思わしき“細岡会館”があるが、こちらもすっかり寂れていた。それでも駅は釧路湿原の観光化を促進する目的が
 あるのか待合室はログハウス調のモノにリニューアルしている。個人的な趣味では古い駅舎の方が味わい深く、旅情も感じられて好みだが、地元の利用者や一般的な
 旅行者から見れば新しく洒落た建物が好まれるのは当然な成り行きであろう。

 今回私は日本一周旅の途中で、この釧網本線を重点的に幾つかの秘境駅訪問を行った。まず緑駅で駅寝した早朝、南斜里駅の訪問を果たし、訓北峠をトンネルで越え
 て釧路湿原駅に降りた。そこも周囲に人家が一軒も無く、大湿原の真っ只中にあるため一流の秘境駅というロケーションを誇っている。ただし、観光客の多さは秘境駅の
 趣旨とは相反するが… ひとまず釧路湿原の展望台へと登って人並みに観光してみた。やはり雄大な景色は素晴らしいものであった。しかし、これ以上心に留るものは
 無く、観光客の車が行き交うダート路を隣の細岡駅へと歩いて行く。しかし、天は我を見捨てることは無かった。下段の右端の写真はその途中で撮影したものだが、雄大
 かつ素朴さを味わえる素晴らしい景色である。歩いていた車道のダート路からこの川端へ降りたが、こんな景色に出会えることも知らず、ほとんどの観光客は自動車に乗
 り、砂塵を立てながら走り過ぎていく・・・ 駐車場も案内表示もなく、恐らく自転車や徒歩でないとこのような発見は難しいのではないか。

 細岡駅へこのように歩いて着いたが、観光シーズン真っ只中にあっても誰一人いなかった。駅前の道路を通り過ぎて行く車は数あれど、このような小駅には誰も興味を示
 す様子はない。しばし周囲の観察と撮影に専念したが、やがて臨時観光列車の「くしろ湿原ノロッコ号」に乗車するために数人の乗客が来た。到着した列車は満員の乗客
 で大盛況だ。いささか場違いな雰囲気の私も乗客の一人になり、観光客とは無縁の小さな駅を後にした。