2000/9/20  作成

紀伊細川駅

南海電鉄高野線 “紀伊細川駅”  山の中にひっそりと佇むこの駅に、雨上がりの静かな午後が訪れる…

    

味わい深い古い駅舎にはミスマッチな自動改札機があり、ここも紀伊神谷駅同様に一人の駅員がいた     駅から眺める風景はまるで水墨画の世界…

  訪問日記  2000年9月2日 訪問

  ここは、南海電鉄高野線の“紀伊細川”という小さな駅。電車が駅に到着して一見すると遥か眼下に小さな集落が見えるが、そこまでは延々と長い階段を降りて行くか、遠回りになる狭く屈曲
 した車道を行くしかない。きわめて急峻な断崖上ににある駅だが、せまい立地へへばり付くように古い木造駅舎が建っている。ここは駅員が常駐する有人駅であった。しかし、切符の自動販売
 機はなく、窓口から先の駅員に発券してもらうという前時代的な様式を残している。だが、ここもまた類に漏れず自動改札機が設けられており、いにしえの雰囲気を忠実に残す駅舎と、ハイテク
 機器との調和は残念ながら取れているとは言い難い。隣の紀伊神谷駅と上古沢駅も同様のスタイルで、これが南海電鉄におけるローカル駅のスタンダードなのであろう。

 駅の構造は対面式ホームを備えた電車が交換可能な形式で、こんな山間の静かな駅も電車が来ると雰囲気はグッと駅らしくなるもの。こうして南海高野線の秘境駅調査を終え、JR和歌山線と
 の接続駅・橋本へ向かう電車に乗車し、ゆっくりと山を降りることにした。