2007/8/1 作成

久我原駅



いすみ鉄道 “久我原駅” 首都圏から近いこの場所に、信じられないほどの秘境駅が存在していた

      

駅の周囲は荒地が広がっているだけ   待合室は吹きさらしで簡素なもの   旧国鉄タイプの縦型ホーロー駅名柱が残る    黄色いレールバスがやって来た

   訪問日記  2002年6月18日 訪問 

  ここは“久我原駅”という、旧国鉄の木原腺が第3セクターの“いすみ鉄道”へと転換した路線にある。周囲は一面荒地が広がるばかりで、人家は200mほど先に1軒見えるだけ。
 こんな辺鄙な場所にある駅が、首都圏から近い千葉県に存在するという、常識を覆したような驚きを禁じえない。それでも、列車の本数は1時間に1本程度はあるので、訪問は
 容易い方であろう。

 今回、私は広島から車でやってきた。訪問に際し、諸般の事情で慌しいものになってしまったが、それでも数少ないチャンスを生かしたいという一心から、翌朝の中央道、首都高
 速、京葉道路を経由し、一気に千葉県へと入った。房総半島に入るのは、JR全線を乗り潰す際に、久留里線、東金線あたりを周った時以来、数年ぶりだ。房総半島は大きな山
 が無く、穏やかな丘陵地帯が広がっているところ。この久我原駅は、林の中に隠れるように、ひっそりと存在していた。アプローチは、2つの国道(297・465号)に挟まれている場所
 とあって容易に到達できる。地図上ではクルマや人通りが多いものと錯覚しそうだが、実際には森林に遮られているので、車の姿も騒音も感じることは無く、とても閑静な雰囲気
 であった。ホームには地元の人の手によって花壇が設置され、温暖な気候とあいまって実にゆっくりとした時間が流れている。このような素晴らしい駅を、今回のようにあっさりと
 車で訪れてしまうと、旅情的な物足りなさが顕著となり、いささか残念な気分になってしまった。