2000/12/15 作成

中根駅

茨城交通・湊線“中根駅” 人家から遠く離れ、雑草が生い茂る荒地にポツンと存在していた

      

簡素で寂れた待合室は、この荒涼とした風景に絶妙なマッチングを見せる    ベンチは吹き抜ける風が運んで来た砂塵で汚れていて座る気にはなれない


   訪問日記  2000年12月14日 訪問

  この茨城交通・湊線“中根駅”は、起点の常磐線・勝田駅からわずか3駅目にある。周囲は一面荒涼とした荒地で、ざっと見渡す限り“東水戸道路”と
 数軒の民家だけだ。それでも駅の裏手へ周りこむ道を150m程進むと、それなりの集落があるので秘境という雰囲気にはほど遠い。しかし、このだだっ
 広い荒地を眺めていと、北海道へやって来たかのような錯覚を覚える。さらに簡素な待合室に掲げられた駅名板と取って付けたようなベンチが何とも
 いえない雰囲気を放っていた。
 この路線には北海道の羽幌炭鉱鉄道で使われていた旧国鉄型と同様のキハ22形が現役で走っている。塗色こそ変更されてはいるものの、今となって
 は貴重な存在だ。今回乗車した列車は正にその形式に当たり、木製の床下から響いてくるDMH17形エンジンが唸りを上げ、ゴトゴトと田園風景の中を
 走った。しばらく散策した後で、隣の那珂湊駅で交換してきた対向列車に乗車する。だが、やって来たのは期待外れの平成生まれの新型車両であった
 。折角この風景とマッチした写真を撮ろうと意気込んでいたのに少々残念であった。今日もあの古い気動車は元気に走っているであろうか?