2001/9/14 作成   2023/1/3 再掲

仁山駅

函館本線“仁山駅” 静かな高原にそっと建っている駅舎はまるで山小屋のようだ

      

その昔ここはスイッチバック信号場として、数々の列車が勾配に挑んだ要所であった    古い駅舎がそのまま残り、今も“仁山信号場”の駅名板が掛かる

   訪問日記  2001年8月10日 訪問

   ここはJR化以前には“仁山信号場”と呼ばれ、駅として昇格したのは1987(昭和62)年4月1日のこと。 その昔、ここを行き交う数々の列車は
   スイッチバックで一旦体勢を整えてから厳しい急勾配へと挑んで行った。当時、高性能を欲しいままにしていた花形機関車のC62型でさえも、
   D52型の補機の助けが必要不可欠だった。五臓六腑に響き渡るドラフト音、そして物凄い黒煙を高々と上げるその姿に、鉄道の概念を遥かに
   越えるような迫力だったようだ。

    しかし、時代の流れはあっさりと過去の遺物へと追いやった。現在ここを通る列車は、最高速130km/hを誇る特急「スーパー北斗」で使用
   されるキハ281系はそんな苦労も嘲笑うかのように軽々と走り過ぎて行く。そんな思いをよそに、この駅もまた例外に漏れず無人化され、時代
   の遺物と化したスイッチバックも廃止された。

   あれほど賑わった駅の周囲は、いま人家は3軒ほどしか無い。ただハイキングに好適な仁山高原を近隣に控え、駅前にも日帰り温泉の施設
   があり、ひときわ観光色が強い印象である。