2001/01/10 作成

雄信内駅

宗谷本線“「雄信内駅” 人々が去った今、古い駅舎が残るこの駅をいったい誰が利用するのだろうか

      

駅舎は大変古く、大正14年の開業以来のものと思われる    背後は山林、そして駅正面は廃屋が数軒あるゴーストタウンであった

   訪問日記   2000年12月31日 訪問
 
  この“雄信内”は宗谷本線の天塩中川〜幌延間で唯一列車交換が出来る駅で、普通列車に乗っていると対向列車の待ち合わせで数分ぐらい停車してくれることが多い。駅舎は、
 大正14年の開業当時からある古い木造で北海道らしい雰囲気たっぷりの味わい深いものである。さらに冬季は除雪作業のために保線職員が常駐しており、駅はまったくの無人で
 はない。だが、周囲にある数軒の人家は何れも廃屋で、駅務室で待機していた保線職員氏の話によると、現在では全く人が住んでいないという。また、芸能人では“指パッチン”で
 知られた「ポール牧」の故郷というが、どこの家かは窺い知ることはできない。

 今回この駅の訪問では、稚内で食料の買出しを行った後、快速と思えるほど通過駅の多い普通列車でこの駅で降り立った。ここで対向の特急「スーパー宗谷2号」の待ち合わせと
 なったが、数分ほど遅れていたので、列車の外へでて一服している乗客の姿もあった。駅舎や周辺の写真を撮り歩いていたが、やがて列車が行ってしまうと無人ですっかり寂しく
 なった待合室に取り残された。しかし、隣の駅事務室からはテレビの音が聞こえてくる? しばらくして常駐していた保線職員が「こっちへ来て暖まりなさい」と言うのでお言葉に甘える
 ことにした。更にコーヒーまでご馳走になり、30分ほど世間話をしながら休ませてもらった。その後、隣の“上雄信内駅”までの2.5km程を駅間歩きで訪問するため、保線のおじさんに
 礼を言って別れ、大雪降りしきるなか天塩川に沿って歩き出した。