2000/10/8 作成

折渡駅

羽越本線 “折渡駅” ポツンと古い駅舎が建っているこの駅は、人家も疎らで停車する列車は少ない

       

通過する列車の車窓からでは中々全体像を押さえられない   ホームの延長部分は鉄パイプで組んだ骨組みの上に板切れを乗せただけの簡素なもの

   訪問日記  2000年9月30日と10月1日 通過中に観察  後年、クルマで再訪実績あり

  ここは1957年(昭和32年)9月28日、元信号場として開設され、国鉄が分割・民営化される直前の1987(昭和62)年3月31日、正式な駅へ昇格した。ホームの長さは3両
 ほどだが、半分以上が鉄パイプを組んだ仮設ホームで非常に簡素なものだ。駅は谷間のひっそりとした場所にあって人通りは少ない。さらに一部の普通電車は通過する
 ため訪問は困難である。この駅の特徴は、待合室が2箇所もあることだ。下り側には信号場時代からの建物で、応接間のソファーや水道など、すばらしい駅寝環境を持つ。
 一方、上り線側は小さな物置のような待合室だが、比較的新しく内部はキレイなもの。どちらも石油ストーブが備え付けられ、“暖かい列車待ち”が約束されそうだ。そんな
 居心地の良い駅だが、周囲は見事なほど何も無い。人家は7〜8軒ほどあるが閑散としている。それだけに駅の暖かさが、孤独な旅人の心へじんわりと染みていくことで
 あろう。

 今回、ここには時間的な制約とプラン遂行上の問題があり、実際に乗降しての訪問は叶わなかった。元は羽越本線の信号場として開業した駅だが、同様な経緯で駅へ
 昇格したものに、“桂根駅”、“女鹿駅”が存在するが、どれも通過列車が多く、列車での訪問さえ困難を極める。駅の構造は行き違い出来る設備に相対式2面のホーム、
 そして古くて味わい深い駅舎が建ち、なかなか良い雰囲気である。周囲に人家は10軒ほどしか点在しておらず、主要道からも離れているので、とても静かな場所だ。小一
 時間の暇つぶしに訪問して、ゆっくりと寛ぐに適する駅であろう。今度この方面に出向いたら是非とも訪問したい。そんな思いで、乗車している特急「白鳥」の中から独り
 カメラを向けていた。