2001/9/16 作成

渡島沼尻駅

函館本線 “渡島沼尻駅” 周囲の人家はたった3軒、利用する人は極少ない 

      

長大編成の列車でも交換可能な有効長を持っているが、駅のホームは僅かに一両分である     トワイライトEXPがDD51重連に牽かれ、爆走して来た

   訪問日記   2001年8月10日 訪問  後年、レンタカーで再訪実績あり

  ここは、昭和20年6月1日に信号場として開設された。当時の函館本線は現在のメインルートである駒ケ岳経由の一本だけであったが、急勾配のため長大編成の
 貨物列車の運行に支障が出てしまった。そのため、緩勾配線として遠回りとなっる海沿いのルートが造られた経緯がある。しかし、ここは全くの新設路線ではなく、
 “渡島海岸鉄道”という私鉄が昭和3年9月まで、森からここの隣にある渡島砂原まで結んでいた。その後、軍川(大沼)までを延長工事させ、その鉄道も一緒に国有
 化させることで、昭和20年6月1日に全通した。その後、一連のJR化により晴れて信号場から格上げされた訳だが、それでも周囲の人家はわずかに3軒しか無い。
 さらに、この駅の裏手には廃牧場が不気味な佇まいを見せており、主要な道路からも遠く離れているので、何だかこの一帯は非常に寂しい雰囲気を感じてしまった。

 今回の訪問で乗り合わせた森行きの普通列車が、ここで大阪行きの豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」と交換するため、5分間停車することになった。ゆっくり
 とした時間は取れないものの、こうして秘境駅の訪問が出来るというのは嬉しい誤算だ。対向列車がやって来るまでの時間であるが、駅舎や周囲の観察・撮影を行
 ったのでかなり忙しかったが、予期せぬ豪華列車との列車交換を含め、非常に充実したものになった。
 
 やがて来た「トワイライトエクスプレス」は、DD51の重連に牽かれ深緑色をした独特な車体を長々と従えて過ぎ去って行った。何時の日か、あの列車のロイヤル(一人
 用A寝台特別個室)に乗って旅をしてみたいものだ。大阪〜札幌という日本一の長距離を走行する列車は憧れの的なのだ。そして、乗ってきた列車が非力なディーゼ
 ルエンジンを唸らせながらゆっくりと発車して行く。次回訪れる時には、じっくりと観察したい駅であった。