2023/01/01 作成

塩狩駅

小説の舞台になった小さな駅は、ちょうど峠のピークに位置している。
          

       

         千鳥配置のホームと構内踏切は古き良き時代の鉄道駅の姿を色濃く残す。    隣の和寒駅が町の中心になる    高原を吹き抜けるそよかぜが何とも清々しい!


   訪問日記  2014年6月22日 訪問


   明治42年2月28日の夜、列車が峠の急坂を登りつめたときのこと。突如、最後尾の客車の連結器が外れて、その客車だけが後退し始めた。
  暴走する客車、声もなく恐怖に怯える乗客。その車両に乗り合わせていた鉄道員の長野政雄はブレーキをかけたが停まらず、とっさの判断で
  線路に身を投げ出して客車の下敷きとなり、暴走を食い止めた。列車は転覆を免れ、乗客は無事に助かった。

  彼は自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救ったという。三浦綾子の実話小説「塩狩峠」の舞台であり、ちょうど峠のピークに位置する静かな
  駅である。ホームは相対し、互いが斜めに配置されている千鳥形式。古い木造駅舎も健在で、実に古き良き鉄道駅の雰囲気を保っている。
  人家はなく、塩狩ヒュッテという小さな一軒宿と塩狩峠記念館があるだけ。以前は、温泉旅館やYH(ユースホステル)もあったが既に廃業して
  しまったので、宿泊するにはこの塩狩ヒュッテが良いだろう。