2000/10/3 作成 

津軽湯の沢駅

奥羽本線 “津軽湯の沢駅” 沢音だけが響く山の中、今日も静かな夜がやって来る

      

駅舎の待合室は広く、造り付けの椅子は幅は約60cmと快適    2面のホームは以外と長く、長大編成の客車列車時代を偲ばせる

   訪問日記  2000年9月30日 訪問

  この“津軽湯の沢駅”は、奥羽本線の青森・秋田県境にある青森県側の山深い場所にある。駅から人家は見えないため、得も言われぬ秘境感を漂わせていた。近くには国道7
 号線が通っているものの、トラックの音が五月蝿いと思いきや、駅前を流れる沢の音で見事に打ち消し合って意外と気にならない。やはり自然の力というのは素晴らしいものだと
 素直に感じられる。駅舎はホームから階段で降りたところにあって、内部は全て待合室のため、かなり広いスペースがある。さらに造り付けの長椅子は、幅が約60cmもあって、
 “B寝台”の幅に近い70cmに迫り、静かさとあいまって極上の環境であろう。ただし、駅舎前の水道が出なかったのが惜しいところだ。

 人家は国道沿いに数軒ほど見られ、徒歩5分程で観光地となっている「碇ヶ関(関所)」がある。そこは古くからとても厳しいといわれた関所で、その昔人々はここの往来に只なら
 ぬ緊張を強いられたようだ。現在は記念館として入場料200円で入ることが出来るが、生憎閉門時間となってしまい入場できなかった。また、そこまでバスが比較的高い頻度で
 運転されており、列車の停車本数が少な過ぎる事情を、バスが救済するケースがあるかもしれない。今回はここに約1時間45分と、比較的長い時間過ごしたが、何故か退屈はし
 なかった。きっと備え付けてあった駅ノートのお陰だろうか?私も早速書きこみの儀式を終えて外を散策する。暗くなってから暫くすると、秋田行きの列車がやって来て乗り込み、
 この山間の駅を後にした。