2002/03/23 作成

東鹿越駅



根室本線 “東鹿越駅” かなやま湖のほとり、誰も訪れることのない駅に、何の目的があって降りるのか

         

駅舎は木造で、掲げられている駅名板は北海道特有の青地白抜きのタイプ   バックに見える煙突は、恐らく石灰石の粉砕工場のものだろうか

         

島式ホームの上には、何故か“石灰石”と書かれた大岩が鎮座する   駅前は道路を挟んで、いきなり広大な“かなやま湖”が広がる
   

    訪問日記   2002年1月4日 訪問
 
  ここは駅前に出るといきなり広大な湖が広がっていて驚く。周囲の人家は2軒ほどだが、前を通る車道は通行量も稀で静かである。
 ホームから見て斜面を少し上がったところに何やら工場らしきものが見える。これは日鉄鉱業東鹿越鉱山という石灰岩を採掘してい
 る事業所だ。以前、釧網本線の中斜里駅近くにあるホクレン中斜里製糖工場へ石灰搬出するため、ここを起点とする貨物列車が運
 行されていたが、1997年3月に廃止になった。その名残りか、ホーム上に“石灰石”と書かれた大岩が鎮座しており、興味をそそる
 ものであった。貨物列車がなくなってしまった今、ここの利用者は鉱山関係者の方が居かも知れないが、マイカーが普及した現代で
 は、その人数を数えることさえ無意味と思えるほど寂しさが募る。

 駅前には金山−幾寅間の南富良野町営バスの停留所があり、シーズン中であれば“かなやま湖”の観光目的で利用するのも良い
 だろう。景色を見ながらのんびり歩いて行くと、約1km先には東鹿越大橋がある。そこからは金山湖の全貌を観察できるが、更に4km
 ほど進むと、温泉やキャンプ場のあるリゾートエリアの一帯がある。歩くと遠いが日頃からスポーツジムやフィットネスクラブへお金を
 払って通うぐらいなら、遥かに気持ちよく健康的な体造りが出来ると思う今日この頃である。

 今回、私は東北方面の秘境駅訪問をメインにしていたが、勢い余って北海道へ突入してしまったのが正直なところ。これで真冬の北
 海道は4年連続で、もう半分病み付き状態になっている。昨日、奥羽本線の大滝駅を訪問した後に、秋田から特急「いなほ9号」で青
 森、さらに急行「はまなす」と乗り継いで北海道へ上陸した。早朝、札幌からは臨時特急の「フラノスキーエキスプレス1号」で富良野
 へ到着。隣の島ノ下駅を訪問した後に、この東鹿越駅へやって来た。深々と真っ白に雪化粧されたホームに降り立ち、去って行く列
 車をのんびりと歩きながら眺めてるそんな一時が、無性に好きなのである。さあ、この駅はどうなってるんだろう?沸き起こる好奇心
 は全身を駆け巡り、私の活力を増幅して行った。