2001/11/08 作成
奥新川駅
仙山線“奥新川駅” 深い山の中にあるこの駅の利用者は、やはり観光客ばかりであった 駅舎はコンクリ製のモノで待合室も広い
隣は(臨)八ツ森ではなく、作並となっていた ここは仙台市青葉区である 標高は374mにも及び、県立公園“二口渓谷”の真っ只中にある
訪問日記 2001年8月14日 訪問 後年、自動車で再訪実績あり
ここは、仙山線の快速列車を含んで上下合わせて34本ある全列車のうち、停車するのはわずか13本で半数に満たない。周囲にある人家は2軒のお土産屋くらいで、
日常的な利用者はほとんど居ないと思われる。主な目的は、仙台市街及びその近郊に住む人々が休日を利用して、広瀬川上流の二口渓谷をハイキングをする拠点の
役割を果たしているようだ。そんな日常風景に乏しい駅だが、隣にある同じ目的の臨時駅“八ツ森駅”は、今年からとうとう一本も列車が停車しなくなってしまった。この
奥新川駅へ観光客が集約されているようで、こんな所にもリストラの風が吹いているかのように映る。ここから山形県側へ長大な仙山トンネル(5631m)を抜け、面白山
高原駅へと線路は続く。こちらもスキー場やハイキングをメインとしたレジャー駅で、一般的な日常利用者は皆無と思われる。それだけに仙山線は人家も無いような深い
山間を通り、仙台〜山形の両都市を結ぶメインルートとは思えない秘境地帯を抜けているのである。
さて、今回私は青春18きっぷを2枚使って日本一周秘境駅訪問旅を続けて来たが、ここの駅が最後の訪問駅になった。思えば8月4日に東京駅を夜行快速の“ムーン
ライトながら”で出発、翌日の紀勢本線の波田須駅を皮切りに、20駅にも及ぶ秘境駅を訪問しながらの旅を続けて10日が経過していた。道中の思い出に浸りながら、
隣の臨時駅・八ツ森から、新川ラインの山道を数キロあまりを踏破して到着した。アスファルトの道と違って土道は足にもソフトな感触であるため、以外にペースが上がる
ものの、疲労も少なくて済んだ。こうして、駅前の売店でビールを買って喉を潤しながら、駅の写真を撮っていると、もう仙台行きの列車がやって来てしまった。もう少しゆ
っくりとしたかったが、今日中に東京へ戻らねばならない。名残惜しい気持ちを残しつつ、仙台駅と向って常磐線へ乗り継ぎ、深夜の上野駅へようやく到着した。もう心身
共に疲労困憊していたが、山手線で東京駅へと降り立つことで、日付も変わった10月15日の0:00頃、とうとう鉄道による日本一周を達成した。記念すべきことなのかも
知れないが、独り悦に浸りながら家路へ向かう中央線最終の高尾行きへと乗車。日程の関係で少々忙しい旅であったが、機会があったら今度は時計と反対方向で周っ
てやろうと密かに企んでいるのであった。